子どもの肺炎や中耳炎そして髄膜炎などを引き起こす細菌のひとつに肺炎球菌があります。
肺炎球菌は、多くの人の鼻やのどにいる身近な菌で、普段はおとなしくしていますが、風邪などで抵抗力が落ちた時に、病原性が発揮され、重症の感染症を引き起こします。特に、小さな子どもや高齢者、免疫機能が弱い人々では、髄膜炎や菌血症などの重い病気、「侵襲性肺炎球菌感染症」を起こし、時には命を落としたり、重い後遺症を残してしまう子どもたちがいます。
このような悲しいことを防ぐため、本研究では、肺炎球菌感染症にかかった子どもから採取された肺炎球菌を全国の医療機関から集めて、肺炎球菌莢膜血清型を詳細に調べます。
本研究で得られる血清型の解析結果は、今後の新しいワクチン開発に生かされ、この恐ろしい感染症の克服につながります。